アートが苦手なくせに、どういうわけかその類の仕事や活動をしているときほど自分に違和感がない。
アート系という自覚も合ってる気もしないけれど、どこかに向いている大事な一点があるのかもしれない。
インストラクターによってはシャインアートがキッカケで他のアート表現を身につけたり、画家になってしまった仲間もいる。
私はというと「シャインアートの講師をするならあんまり上手くならない方がいい」くらいに考えているほどなので、たぶん今でもそれほど絵を描くのが好きというワケではないのだろう。
アーティストネームをプロフで表記しているが、アーティストタイプのインストラクターではないのだ。
それなのになぜ、15年以上も活動を続けてこられたのだろうな。
伝えたいのは絵そのものではなく、ツール
2010年1月10日にパステルシャインアート®というもののワークショップに参加した。
いろいろな経験の末、当時は絵を描くことに強いコンプレックスを抱いていて「2度と絵は描かない」と思っていた。
ところが、信頼していたある人のオーガナイズで開催されるアートワークに、少しだけ心が動いたのだ。
何となく乗っかってみる気になって参加すると、一枚目の作品でクルクルとパステルを伸ばしただけで泣くのを堪えるくらい楽しくなり、その瞬間に
「私もこのツールをシェアしたい」と強烈な欲求が湧き上がった。
この「ツールを」という部分、とても明晰な意図になっている部分が、講師タイプのインストラクターとして「向いている一点」なのだろうか。
パステルシャインアート®は短い時間でやさしく描ける画法というだけでなく、東西の哲学や心理学、人間学に基づいた「気づき」のアートメソッドという側面をもつ。
通常のワークショップでそういう側面に触れることはほとんどないものの、内側に響く何かを直感する人は少なくないだろう。
絵を描くのが苦手な者がアートインストラクターって、滑稽にもほどがあるのだけど、絵がとくに上手くなくてもOKなのがパステルシャインアート®なのだ。
シンプルでありながら完成されているようにも、創造の余白が大きいようにも思える基本10テーマ。
もしかしたら私たちパステルシャインアート®インストラクターはその余白の中にあって、いまここから自分たちで創造していく、そんな時期を迎えているのかもしれない。
「旧テキストはスルスルできたんですよ」と創始者先生から直接伺ったとき、光の世界から託されたツールなのだと、私の中では間違いなくそう感じられた。
その確信を胸に、これからもパステルシャインアート®を伝え続けていきたい。